はじめに
二役を担う場所と、二役を担う壁
CEO のフィル・リービンは、招待制の実験から一般公開のサービスになった2008年6月に「私たちの目標は、Evernote を人の記憶の延長にすることです」と語りました。その時点で4か月で12万人。4年後、O+A の設計した新本社に移ったとき、利用者は3,000万人になっていました。
「すべてを記憶する。何でも取りこむ。どこからでも使える。速く見つかる」という宣伝の言葉を持つ会社にとって、使いやすさは新しいオフィスの設計の主題として自明でした。ここでは場所がしばしば二役を担います。
01|受付
天井の高い場所が、コーヒーの場所でもある
天井の高い受付は、コーヒーとドーナツのオアシスでもあります。
待つための場所を、休むための場所と重ねています。


02|階段
クッション席が、全社の集まりを受けとめる
広い階段にはクッションの席が組みこまれ、全社の集まりに使えます。
講堂を別につくらずに、階段に役目を足したやり方です。



03|壁
書けるようにしたら、どこにでも書きはじめた
多くの壁は消せるホワイトボードの仕上げで、思いついたところで考えを書き留められます。
これがよく効いたので、社員が入居してまもなく、ホワイトボードかどうかに関わらず壁に書きはじめました。

04|予算
少ない予算と短い工期が、創意を生む
少ない予算と短い工期は設計の仕事につきものですが、その制約がしばしば創意を生みます。
Evernote では、ほぼスタートアップの予算と工期で、会社の勢いに見合うオフィスを設計しました。できるところでは、節約を美しさに転じる方法を探しています。


05|手で描くサイン
チョークと布と水だけで
受付のブランディングに費用をかけずにすむ方法を探していたとき、Evernote が Dana Tanamachi を推しました。
彼女は目と手とチョーク、布と水、ときに物差しだけで、完璧に構成されたサインを描きます。内装の設置物、広告、絵本の表紙、スノーボードにまで。

